星に願いを 7話




「理帆、熱くないか?」
「・・・・・・うん」
理帆に頭からシャワーの湯を浴びせていた和馬は理帆のつむじを見下ろしながら話しかける。
かけられている理帆はちょうどいい温度なのか、気持ちよさそうに目を細めている。
「目ぇ、つむってろよ?泡が入ると痛いぞ」
シャワーをいったん止めて、言いながらシャンプーを手の上に広げ理帆の髪を洗い始める。
「シャンプーくらい自分で出来るのにぃ・・・」
「どうだか、泡が目に入ってのた打ち回っても知らないぞ」
普段理帆とは一緒にお風呂など入らない。
しかし、小さくなった理帆が心配で浴室の前で聞き耳を立てていたら中から理帆の叫ぶ声が聞こえて来た事がある。
叫ぶ声の内容からするに、シャンプーの泡が目に入ったらしかった。
「どっ、どうして知ってるのよ。まさか覗いてたの?」
「失礼な、そんなに広くないんだからあんな大声で叫んだら嫌でも聞こえるっての」
「うぅ〜〜」
自分の弱みを握られていてはどうすることも出来ず、ただおとなしく髪を洗われる理帆。
和馬も理帆がおとなしくなったのに満足してただ髪を洗う。
「よしっ、終わり。いったん温まりな」
「うん。ありがと、和馬」
仕上げにシャワーで泡を流してもらった理帆は、すぐに湯船に飛び込む。
そう広くない浴槽に、子供とはいえ人一人飛び込んだため勢いよく湯が溢れる。
「こ〜ら、理帆。そんな事したら危ないしお湯がもったいないだろう」
「あぅ、ごめん」
おどろいた和馬に口調こそ優しいがしっかりと注意されしょげる理帆。
しばらくしょげた様子のまま口元をお湯につけ、壁を見つめる。
「ねぇ、和馬。……さっきのこと聞かないの?」
「ん?さっきの?……ああ、別に理帆が言いたくないんなら聞かないし、理帆が聞いて欲しいんなら黙って聞くよ」
ある程度、理帆がその話題を振ってくるのは予想していたのだろう。和馬は何食わぬ様子で答える。
一方理帆は再び壁を見つめたまま黙ってしまう。
「あ…のね、昨日和馬にエッチしてって頼んだでしょ?」
「ああ、断ったけどな」
実際には和馬が理帆を説得したのが正しいのだが、そのことには触れない二人。
「うん。それでね、昼間におむつ替える時にたまたま触っちゃって…」
「それで、そのままオナニーに夢中になっちゃったのか」
和馬の落ち着いた指摘に顔を真っ赤にして頷く。
「……それで、イク寸前に俺が声かけたらびっくりしたと」
「……うん、そゆこと」
さきほど起こったことのすべてを話し、お互い無言になる。
和馬は無言のまま自身の髪を洗い終えると、タオルに泡を作り始める。
「理帆、体洗ってやるからおいで」
「ええっ、いいよぉ。自分で洗えるから。…ちょっとぉ…」
いきなりのことに戸惑う理帆の体を強引に湯船から抱き上げそのまま椅子に座らせる。
「いいから、いいから。こうやって一緒に入ることなんて無いんだからいいじゃんか」
「…もう、一人で洗えるのにぃ・・・・・・」
ぶつくさと文句を言いながらも、背中を擦られてうれしそうな表情の理帆。
和馬も楽しそうに理帆の体を白く染めていく。
「しっかし、小さくなっちゃったよなぁ。椅子に座っててもしゃがんだ俺より低いんだもんな」
「も〜、ちっちゃくなったって言わないでよぅ。これでも気にしてるんだからぁ」
確かに、最初のころは落ち込んでいたかもしれないが、最近はそれなりに順応していたように思えた。
むしろ、和馬の目には子供に戻ったことを楽しんでいるようにも見えたのだが言わずに黙っていた。
「それにしても、子供の肌って柔らかいのな。ぷにぷにしてる・・・・・・」
「ちょっとぉ、くすぐったいよぉ」
片手で理帆の体を洗いながら、空いている手で理帆の肌の感触を楽しむ和馬。
普段触られない部分に触れられ、理帆がくすぐったさに身をよじる。
「あっ、こら、そんなに動くと・・・」
「えっ?ひゃうっ!・・・ちょっと、かずまぁ・・・どこ触ってるのよぉ」
肩口を洗っていた和馬の手が理帆の動いた拍子に胸元へと滑り落ちてしまう。
そして、平らな胸を滑る途中でちょこんと突き出た乳首をタオルが擦り付ける。
予想もしていなかった刺激に理帆は和馬の手を巻き込んで丸まってしまう。
「おっと、理帆放せって」
「やだぁ、動かさないでよぉ・・・んっ、はぁっ・・・」
理帆に固定された手を抜こうと動かすが、それが更なる刺激を与えてしまう。
「いや、そんな風に固定されると抜きたくても抜けないんだけど・・・」
「だってぇ・・・んぁっ、だめぇ・・・」
なんとか手を抜こうとする和馬の動きに合わせて、理帆の悩ましげな声が浴室に響き渡る。
引き抜こうとする手を一旦止め、何かいい方法が無いかと考える。
「いいか、今から一気に引き抜くから少しだけ我慢しろよ?いいな?」
「・・・な、に?よく聞こえなかったよ?」
「いくぞっ・・・」
呼吸を整えるので精一杯の理帆に一応の説明をする。
そんな理帆の様子に気付くことなく、和馬は一気に手を引き抜く。
「えっ、かず・・・ひゃぁっ、んぁ、くぅん・・・・・・」
「よし、なんとか抜けたな。・・・って理帆?」
一気に手を引き抜いたことで、理帆の乳首が強い刺激を受けてしまった。
そして、心の準備の出来ていない状態で強い刺激を受けたために、理帆は絶頂に達してしまった。
「うおっ、ちょっと、理帆。どうしたんだよ、おい」
「はぁ、はぁ・・・かず、まぁ。ひどい、よぉ」
絶頂に達したため、体に力が全く入らないらしい理帆。
背後にいた和馬に体を預け焦点の定まらない目で天井を見ている。
どうしていいのか分からない和馬は呼吸の荒い理帆を支えて、ただオロオロするばかりである。
「おい、理帆?どうしたんだよ、だいじょうぶか?」
「ん・・・かずま?・・・・・・」
和馬の呼びかけになんとか反応する理帆。しかし、いまだに目の焦点はあまり合っていない。
「どうしたんだよ、いったい。のぼせたのか?」
理帆からの返答にほっとした和馬はぬるま湯をシャワーでかけてやる。
「かずまのばかぁ・・・・・・イっちゃったの・・・」
「え?なんて言ったんだ?」
あまりに小さな理帆の声は、シャワーの音にかき消され和馬の耳に入らなかった。
理帆は恥ずかしいのを我慢してもう一度、今度は大きな声で言う。
「だ・か・ら、胸が気持ちよくってイっちゃったの!」
なんとか我慢してそれだけ言うと、理帆は顔を両手で覆ってしまう。
和馬もまた、故意では無いにしろ幼い容姿の理帆をイかせてしまったことに動揺して言葉を発せずにいる。
「・・・・・・」
「・・・ね、かずま?」
「・・・その、ごめん」
何とか呼吸も落ち着き話しかける理帆だったが、和馬からの返事は謝罪の言葉だった。
「え、なに?なんなの?」
「なにって、その・・・さっきは理帆に悪いことしたなって。・・・それで」
そう言ったきり再び無言になる和馬。
理帆はその言葉の意味を考えていたが、不意に笑い出す。
「なっなんだよ。なんかおかしい事言ったか?」
「う、ううん。違うの、なんでそんなことで謝るのかなって思って。それで、つい・・・」
一人笑い転げる理帆を見つめ、どうしたら良いのか分からない和馬はただシャワーをかけ続けることしか出来ない。
ひとしきり笑い、気が済んだのか理帆はゆっくりと体を起こし和馬と向き合う。
「ねぇ、和馬。こんなになった私だけど、まだ好きでいてくれる?」
「な、なに言ってんだよ。好きに決まってるだろ。・・・理帆だから好きなんだから、そんなの関係ない・・・」
最後のほうはよほど恥ずかしかったらしく、ほとんど聞き取れないくらいの声だった。
しかし、理帆はしっかりと聞き取っていた。
和馬の言葉が終わると同時に勢いよく和馬に抱きつく理帆。
あまりの勢いに理帆を抱きとめたまま後ろに倒れてしまう和馬。
「ちょっ、危ないって理帆・・・」
「かずまぁ・・・大好きだよ・・・」
腹の上に乗っている理帆に文句を言おうと理帆のほうを向くと涙を滲ませた理帆の顔が近づいてくる。
「・・・理帆・・・」
理帆が何をしたいのか気付き和馬は目を閉じ静かに理帆を待つ。
和馬が目を閉じたのを確認してゆっくりと互いの唇が触れ合う距離まで近づく理帆。
「かずま、だいす・・・だ、い・・・っくちゅっ」
後もう少しで唇が触れ合うというところで湯冷めしたのか理帆が大きなくしゃみをする。
そして、その反動で前後に動いた理帆の頭が目を閉じていて避けることすら出来ない和馬の顔面を襲ったのだった。
「いっつ〜〜。理帆、いったい何の恨みがあって・・・」
「ち、ちがうの〜。そんなんじゃないの〜・・・いった〜い」
あまりの痛さにお互い言いたいことも言えずにぶつけた部分を押さえて呻く。
「だいたいな、普通あそこでくしゃみしないだろ」
「そ、そんなこと言ったって出ちゃったんだからしょうがないでしょ・・・くちゅっ」
懲りずに言い合いをしていると再び理帆がくしゃみをする。
それを見て和馬は温度を上げたシャワーを勢いよく理帆に浴びせる。
「とにかく、今はしっかり温まらないとな。こんなことで風邪引いたら虚しいしな」
「う〜、和馬のせいなのにぃ」
良い様に和馬に言いくるめられ納得のいかない様子の理帆だったが、それ以上何も言わなかった。
しばらくそうしていると不意に理帆が小刻みに体を震わせる。
「まだ寒い?もうちょっと熱くしようか?」
「う、ううんそうじゃないの・・・・・・その、えと・・・おしっこ・・・したい・・・かも・・・」
「えっ、トイレまで行けそう?」
突然の激しい尿意に、太股をすり合わせた格好で動けなくなる理帆。
和馬の問いかけにもただ首を横に振るばかりで、和馬はどうするか悩んでしまう。
「・・・・・・あ〜もう面倒くさい。・・・っしょっと」
「ひゃぁっ、やだ、和馬何するの」
色々考えた挙句、和馬はおしっこを我慢している理帆を小さい子供におしっこをさせるように足を開かせて抱き上げる。
「どうせもう我慢できないだろ?途中で漏らすよりもここでしちゃったほうがいいだろ?」
「いやっ、おろしてよぉ。こんなのやだぁ・・・」
和馬にしてみれば、途中で漏らされても後始末をするのは自分なので、風呂場でしてもらったほうが楽でいい。
理帆にしてみれば、風呂場でおしっこをするのはいいにしても抱きかかえられている以上和馬には一部始終を見られる事になる。
そんな風に二人で言い合いをしているうちに理帆の我慢は限界に達しようとしていた。
「・・・も、もう・・・だめ、かも。おろしてぇ〜」
もはや足をバタつかせることも出来ずにか細い声で理帆が訴える。
「だから、今降ろしてもトイレまで行けないって。諦めてここでしちゃえって」
「ちょっ、やだっ、ゆすらないでよぉ・・・ああっ、でちゃうよぉ・・・ふぁ・・・」
トイレに行こうとする理帆を説得しつつ上下に揺する和馬。
その刺激に我慢できなくなった理帆はついにおしっこをしてしまう。
二人して黙り込んでいるため、狭い浴室に響き渡るのは勢いよく出続ける理帆のおしっこの音だけ。
「うっ、ううぅぅ〜。かずまのばかぁ〜」
おしっこも出きり、今だ和馬に抱きかかえられたままの理帆が叫びながら足をバタつかせる。
「おい、暴れるなって。ほら、しっかり立って。今流してやるから・・・」
和馬もこれ以上抱きかかえているつもりは無かったのか、ゆっくりと理帆を立たせる。
「いいっ、自分でやるから。それより和馬自分の体洗ったら?」
まだ残っている泡やおしっこの残りを流そうと和馬がシャワーを向けるが理帆は強引に奪い取って自分で流し始める。
「そうか?それじゃあそうしようかな。ちゃんと温まれよ、風邪引くからな」
「わかってる、子供じゃないんだからね!」
そんな強気な理帆の言葉に、和馬は苦笑しながら頷く。
(まったく、小さくなってるからって人の事子供扱いしちゃって・・・こんなに濡れちゃってる、気持ちよかったなぁ・・・)
和馬に背を向け、泡を流す振りをしながら自分の股間の様子を探る理帆。あまりの濡れ方に思わず先ほどの快感を思い出してしまう。
(って、なに考えてるのわたしったら。あれはいきなりだったから、そう急に感じちゃったからなのっ)
一人で都合のいい結論を出し、理帆は浴室の扉に手をかける。
「おい、理帆。温まったのか?風邪引いても知らないぞ?」
「だいじょうぶっ、先に上がるからね」
和馬の声に振り返ることなく答えた理帆はそのまま浴室から出てしまう。
「ったく、何怒ってるんだ?お漏らしなんて今更の事なのに・・・・・・ん?・・・なんか大事な事があったんだけどな、なんだっけ」
怒りながら出て行った理帆の背中を見て、ふとあることが気にかかったのだがそれが何か思い出せない和馬。
「ま、いっか。そのうち思い出すな」
あっさりと考えるのを止め湯船に体を沈めると、なにやら外から声が聞こえたように思い耳を澄ます。
「なんだぁ?理帆のやつまたなんかやってんのか?」
いつもの事だといった感じで気にした様子も無く和馬は疲れを癒すのだった。

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